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中央研究所

感染性病原体研究室

血液製剤を介して感染症等が発生するリスクについては、完全には排除できないものです。事実、今日まで血液を介するウイルス等による感染が問題となってきました。私達の研究室は感染性病原体に対する安全対策研究を専門に行うユニットとして、このようなリスクを出来るだけ排除して安全性を向上させる努力を続けています。

血漿分画製剤については、製造工程でウイルス除去/不活化工程を経ることにより、原料血漿にウイルスなどの病原体が検査をすり抜けて混入したとしても、効果的にその感染力を失わせたり、ウイルスそのものを除去したりすることができるので、そのリスクは大幅に低くなっています。しかしながら、vCJDの感染防止とプリオン除去等、さらなる研究が必要とされている分野もあり、病原体の除去/不活化技術の向上、より高感度で高精度な検査法の導入など、より安全性の高い血液製剤の開発・改良に向けた努力が今後とも必要とされます。

これまでに私達の研究室はいくつかの大学や研究機関と共同研究を行い、ウイルスとプリオンを対象とした安全対策研究を展開してきました。これらの成果をもとに、科学技術の進歩や新たな病原体の出現などに対応し更なるリスク低減を図っています。また、私達の研究成果を学会や論文などで積極的に公表していくことにより、透明性を確保するとともに、公開性の高い研究でこの分野の技術向上に寄与したいと考えています。

また、安全対策研究で培ってきた研究技術は、感染症に対する医薬品開発研究にも活かすことができます。今後は安全対策研究のみならず、感染症対策としての総合研究を行い新たな医薬品の開発に結びつくような研究部門として発展し、こうしたアプローチから人々の健康へ貢献することを目指します。

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