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原料段階における対策

ウイルススクリーニングの限界

ここまでは原料段階におけるウイルススクリーニングについてご紹介してきましたが、これらのスクリーニング検査にも限界があります。つまり、試験対象ウイルスの原料への混入量は検出限界以下にまで低減できますが、それが必ずしもゼロであることを意味しませんし、試験対象外のウイルスに対しては混入量を低減させることにはならないからです。

ウインドウ・ピリオド

抗原・抗体検査はウイルスなどに感染した後、血液中に産生される抗原や抗体を検出する方法であるため、感染後しばらくは感染していることを検査で検出できない期間があります。核酸増幅検査(NAT)は、ウイルスを構成する核酸の一部を100万倍以上に増幅してウイルスの有無を検出するため、非常に感度と特異性が高く、検出できない期間が短縮されますが、それでもまだウイルスなどに感染後、しばらくは感染していることを検査で検出できない期間があります。これをウインドウ・ピリオド(空白期間)と呼んでいます。

変異株

ウイルスはゲノムの複製過程で10-5~10-8の頻度で変異、すなわち核酸に遺伝可能な変化がおきます。変異ウイルス株に対して元のウイルスを野生株といいます。感染を繰り返すことによって変異ウイルスが生まれ、また同種ウイルス間での組換によって同様な変異株をつくります。変異株は通常の検査では検出されないことがあります。

ウイルススクリーニングの限界
  • 試験対象ウイルスのみに効果
  • 試験方法の検出感度の問題
  • ウインドウ・ピリオド
  • 変異株の問題

試験対象ウイルスの原料への混入量は低減できるがゼロにはできません。
試験対象外ウイルスに関しては混入量を低減させることはできません。