トキソイドとグロブリン製剤は互いに影響を与えないとされているため1)、同時に投与しても問題ないと考えます。
同時接種の場合、副作用が出たときの鑑別・対処のために、接種部位を離していただくことをお勧めしています。
1) MMWR:Recommendations and Reports 2011;60(2):1-61
小児への投与量は設定されておりません。
破傷風の予防に関しては、10㎏未満の小児に対しては半量程度でもよいとする見解1)もありますが、破傷風を発症してしまった場合の重篤性を鑑みて、成人と同量投与をお勧めしています。
1)海老沢 功 :日本医事新報 1974 ; 2641 : 131
局所障害性のある成分ではありませんので、一般の輸液等が漏出した場合の対処と同じです。
<参考>1),2)
薬剤(一般の輸液など)が漏出した場合は、腫脹などの軽減に冷罨法(れいあんぽう)が効果的と言われています。20℃前後の冷罨法を漏出直後に行うことで炎症反応が軽減します。3時間程度は継続して冷やした方が効果的ですが、30分間でも効果が見られたといわれています。
1) 武田 利明,Expert Nurse 2012 ; 28:66-69
2) 三浦 奈都子,Expert Nurse 2012 ; 28:70-77
輸液で一般的に使用されている輸液セットをご使用ください。材質の指定はありませんが、輸液フィルター(0.2μm)の使用は避けていただくことが望ましいと考えます。
同じグロブリン製剤である献血ヴェノグロブリンIHでフィルター通過性試験を実施しており、排出時間が延長したことから、フィルターの材質等によっては目詰まりを生じる可能性が否定できないためです。
室温に戻してから投与してください。
筋注製剤と静注製剤は以下の違いがあります。
|
テタノブリン筋注用 |
テタノブリンIH静注 |
投与経路 |
筋注 |
静注 |
性状 |
凍結乾燥 |
液状 |
有効期間 |
5年 |
2年 |
筋注時の痛みがなく、血中濃度の立ち上がりが速やか1)な静注製剤をお勧めしています。
1) 海老沢 功:救急医学 1988;12(4):451-452
<参考情報>1)
成人:75単位(1mL)/分を超えない
1) 東 純一 : 基礎と臨床 1993 ; 27(1) : 217-230
●非経口用生ワクチン〔麻疹ワクチン、おたふくかぜワクチン、風疹ワクチン、これら混合ワクチン、水痘ワクチン等〕:
本剤の投与を受けた者は、生ワクチンの効果が得られないおそれがあるので、生ワクチンの接種は本剤投与後3 ヵ月以上延期してください。
また、生ワクチン接種後14 日以内に本剤を投与した場合は、投与後3 ヵ月以上経過した後に生ワクチンを再接種することが望ましいとされています。
(本剤の主成分は免疫抗体であるため、中和反応により生ワクチンの効果が減弱されるおそれがあります。)
●非経口用生ワクチン以外〔経口生ワクチン、BCG、不活化ワクチン、トキソイド等〕:
予防接種のスケジュールに影響はないとされています。1)2)
1) MMWR:Recommendations and Reports 2011;60(2):1-61
2) 薗部友良:小児内科1994;26(11):1929-1933
採血国は米国で、採血の区別は非献血となります。
ガラス瓶入りの製剤であるため、エアー針は必要です。
同意書の取得は義務ではありませんが、取得いただくことが望ましいと考えます。
医薬品医療機器等法では患者に説明して理解を得ることが求められていますが、血漿分画製剤の同意書の取得は輸血用血液製剤のように診療報酬算定上の要件となっていません。しかしながら、万が一に備えて同意書を取得いただくことが望ましいと考えます。
医薬品医療機器等法 (特定生物由来製品取扱医療関係者による特定生物由来製品に係る説明)
第六十八条の二十一
特定生物由来製品を取り扱う医師その他の医療関係者(以下「特定生物由来製品取扱医療関係者」という。)は、特定生物由来製品の有効性及び安全性その他特定生物由来製品の適正な使用のために必要な事項について、当該特定生物由来製品の使用の対象者に対し適切な説明を行い、その理解を得るよう努めなければならない。
一度溶解したものは1時間以内に使用し、使用後の残液は細菌汚染のおそれがあるので使用しないでください(本剤は細菌の増殖に好適なたん白であり、しかも保存剤が含有されていないため)。
使用後の残液は細菌汚染のおそれがあるので使用しないでください(本剤は細菌の増殖に好適なたん白であり、しかも保存剤が含有されていないため)。
【参考:廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル 令和5年5月】
「血液製剤については、それ自体には感染性がないことから感染性廃棄物ではないが、外見上血液と見分けがつかない輸血用血液製剤(全血製剤、血液成分製剤)等は血液等に該当するものとする。」とされています。
一般的に静脈内注射で使用されている20~23Gの注射針をご使用ください。
24Gでも投与は可能です。
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