■献血ヴェノグロブリンIHを投与する際の1日の投与量と投与に要する時間を確認する「投与量・投与時間シミュレーター」をサイトに掲載しましたので、参考としてご活用ください。
細菌繁殖の可能性があるので長時間かけての投与はお勧めできません。
(本剤は細菌の増殖に好適なたん白であり、しかも保存剤が含有されていないため)
乳幼児において点滴静注時に血管外へ漏れ、投与開始から異常発見まで長時間経過してしまった症例等において、投与部位を中心に皮膚潰瘍、皮膚壊死があらわれた例が報告されています。
製剤特有の対処法はありませんが、薬剤(一般の輸液など)が漏出した場合と同様、腫脹などの軽減に冷罨法(れいあんぽう)が効果的と言われています。20℃前後の冷罨法を漏出直後に行うことで炎症反応が軽減します。3時間程度は継続して冷やした方が効果的ですが、30分間でも効果が見られるといわれています。1),2)
ただし、上述のように皮膚潰瘍、皮膚壊死に至った例も報告されていますので、経過を慎重に観察いただくと共に、漏れた液量が多い場合や重症例では必要に応じて皮膚科や形成外科へのコンサルトをお願いします。
1) 武田 利明,Expert Nurse 28:66-69, 2012
2) 三浦 奈都子,Expert Nurse 28:70-77, 2012
献血ヴェノグロブリンIHは、生理食塩液と比較して薬液の密度が高く、表面張力が小さいことから滴容量がおよそ90%程度に小さくなります。
そのため、時間当たりの滴下数が同じでも、標準の滴容量と比較して実際の投与量が少なくなり、予定時刻に点滴が終了しないことが予想されますのでご留意ください。
輸液フィルター(0.2μm)の使用は避けていただくことが望ましいと考えます。
弊機構におけるフィルター通過性試験で排出時間が延長したことから、フィルターの材質等によっては目詰まりを生じる可能性が否定できないためです。
製剤中に抗HBs抗体や抗HBc抗体は含まれておりますので、投与量に比例して上昇し、大量投与によって臨床検査結果に影響が出る可能性があります。
含有量についてはくすり相談室へお問い合わせください。
製造工程にウイルス除去膜等からβ‐D‐グルカンが溶出する工程が含まれているため、製剤中にも微量含まれます。製剤の投与量に比例して上昇し、大量投与で検出される可能性があります。
含有量に関してはくすり相談室にお問い合わせください。
●非経口用生ワクチン〔麻疹ワクチン、おたふくかぜワクチン、風疹ワクチン、これら混合ワクチン、水痘ワクチン等〕:
本剤の投与を受けた者は、生ワクチンの効果が得られないおそれがあるので、生ワクチンの接種は本剤投与後3 ヵ月以上延期してください。
また、生ワクチン接種後14 日以内に本剤を投与した場合は、投与後3 ヵ月以上経過した後に生ワクチンを再接種することが望ましいとされています。
なお、大量療法※(200mg/kg 以上)後に生ワクチンを接種する場合は、原則として生ワクチンの接種を6 ヵ月以上(麻疹感染の危険性が低い場合の麻疹ワクチン接種は11 ヵ月以上)延期することとされています。
(本剤の主成分は免疫抗体であるため、中和反応により生ワクチンの効果が減弱されるおそれがあります。)
※特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、川崎病、多発性筋炎・皮膚筋炎、多巣性運動ニューロパチー(MMN)を含む慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)、全身型重症筋無力症、天疱瘡、水疱性類天疱瘡、ギラン・バレー症候群、腎移植術前脱感作
●BCG、非経口用生ワクチン以外〔経口生ワクチン、不活化ワクチン、トキソイド等〕:
予防接種のスケジュールに影響はないとされています。1),2)
1) MMWR:Recommendations and Reports 2011;60(2):1-61
2) 小児内科 2003;35(9):1618-1620
採血国は日本で、採血の区別は献血となります。
*ディスポーザブルエアー針の使用方法はこちらをご覧下さい。
*こちらの動画ではディスポーザブルエアー針の使用方法を含む、献血ヴェノグロブリンIHの基本的な投与方法をご紹介しています。
以下の2規格のディスポーザブルエアー針があります。
ディスポーザブルエアー針のご用命は、弊機構担当者もしくはくすり相談室にお申し付けください。
ガラス瓶入りの製剤であるため、エアー針は必要です。
使用後の残液は細菌汚染のおそれがあるので使用しないでください。
(本剤は細菌の増殖に好適なたん白であり、しかも保存剤が含有されていないため)
本剤をシリコンオイルが塗布されているシリンジで採取した場合、浮遊物が発生する可能性があります。投与前に薬液中に浮遊物がないか目視で確認してください。
浮遊物が認められた場合には投与しないでください。
<お願い>
製剤をシリンジに採取する際は、内径の大きな注射針で穏やかに吸引してください。
(注射針の内径が小さい場合、同じ時間で吸引すると流速が速くなるため、シリンジ内壁に塗布されているシリコンオイルが剥がれやすい状態となり、浮遊物が生成しやすくなると考えられるため)
【参考:廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル 令和5年5月】
「血液製剤については、それ自体には感染性がないことから感染性廃棄物ではないが、外見上血液と見分けがつかない輸血用血液製剤(全血製剤、血液成分製剤)等は血液等に該当するものとする。」とされています。
輸液ポンプやシリンジポンプを使って投与することは可能です。
ただし、冷所保存の製剤ですので、室温に戻してから投与してください。
一般的に静脈内注射で使用されている20~23Gの注射針をご使用ください。
24Gでも投与は可能です。
輸液で一般的に使用されている輸液セットをご使用ください。材質の指定はありません。
数万人の血漿を混ぜて製造しており、ロット間に品質の差はないと考えます。よって、投与速度をリセットする必要はないと考えます。
お問い合わせ内容の確認および応対品質の向上のために、通話を録音させていただいております。この録音内容は管理を厳重に行い、上記以外の目的には利用いたしません。
予めご了承ください。
・Webによるお問い合わせにつきましては、適切に対応させていただくために、回答は弊機構営業日の電話受付時間内に原則電話にて回答いたします。電話番号のご記入をお願いいたします。
・お問い合わせの内容により、一部返答できない場合や、回答に時間がかかる場合がありますので、予めご了承ください。
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