胎児または新生児のD(Rho)陽性赤血球抗原がD(Rho)陰性の母体に移行し、感作することを防止する目的で投与します。
詳細は以下の資料をご参照ください。
「Rh式血液型不適合妊娠と抗D人免疫グロブリン製剤」
●非経口用生ワクチン〔麻疹ワクチン、おたふくかぜワクチン、風疹ワクチン、これら混合ワクチン、水痘ワクチン等〕:
本剤の投与を受けた者は、生ワクチンの効果が得られないおそれがあるので、生ワクチンの接種は本剤投与後3 ヵ月以上延期してください。
(本剤の主成分は免疫抗体であるため、中和反応により生ワクチンの効果が減弱されるおそれがあります。)
●非経口用生ワクチン以外〔経口生ワクチン、BCG、不活化ワクチン、トキソイド等〕:
予防接種のスケジュールに影響はないとされています。1)2)
1) MMWR:Recommendations and Reports 2011;60(2):1-61
2) 薗部友良:小児内科1994;26(11):1929-1933
採血国は米国で、採血の区別は非献血となります。
筋注後に揉んではいけない製剤には該当しません。
投与後の痛み等を和らげるために軽く揉むことがあります。
同意書の取得は義務ではありませんが、取得いただくことが望ましいと考えます。
医薬品医療機器等法では患者に説明して理解を得ることが求められていますが、血漿分画製剤の同意書の取得は輸血用血液製剤のように診療報酬算定上の要件となっていません。しかしながら、万が一に備えて同意書を取得いただくことが望ましいと考えます。
医薬品医療機器等法 (特定生物由来製品取扱医療関係者による特定生物由来製品に係る説明)
第六十八条の二十一
特定生物由来製品を取り扱う医師その他の医療関係者(以下「特定生物由来製品取扱医療関係者」という。)は、特定生物由来製品の有効性及び安全性その他特定生物由来製品の適正な使用のために必要な事項について、当該特定生物由来製品の使用の対象者に対し適切な説明を行い、その理解を得るよう努めなければならない。
一度溶解したものは1時間以内に使用し、使用後の残液は細菌汚染のおそれがあるので使用しないでください(本剤は細菌の増殖に好適なたん白であり、しかも保存剤が含有されていないため)。
【参考:廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル 令和5年5月】
「血液製剤については、それ自体には感染性がないことから感染性廃棄物ではないが、外見上血液と見分けがつかない輸血用血液製剤(全血製剤、血液成分製剤)等は血液等に該当するものとする。」とされています。
本剤投与後しばらくの期間は、製剤由来の抗D抗体により妊産婦の間接クームス試験が陽性となる可能性があります。製剤由来の抗D抗体であれば時間の経過とともに低下していくと考えられますので、経時的な観察を行うようお願いいたします。
以前は、本剤に「適合試験用試薬」が添付されており、この試験に適合した場合に本剤を投与することとなっていました。ただし、この「適合試験用試薬」による検査は、妊婦の血液型がD(Rho)陰性かどうかを確認するための検査であったため、「適合試験用試薬」による検査は不要と判断され、2009年11月に廃止されました。
抗D抗体価は、間接クームス試験法による最高希釈倍数で表示しています。1,000倍は、抗D抗体としておよそ250μg に相当します。
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