こちらの資料をご参照ください。
フィブリノゲンHT静注用の溶解法及び溶解移注針の使い方(PDF)
<解説>
本剤は溶解しにくいことから、溶剤(注射用水)を速やかに本剤全体に行き渡らせて溶解を速やかにするために、本剤のバイアル内は陰圧となっています。
陰圧が解除されると溶解が困難になる可能性がありますので、ご注意ください。
また、添付資料に従って溶解操作をしても完全に溶解するのに10分程度かかりますので、ご留意願います。
局所障害性のある成分ではありませんので、一般の輸液等が漏出した場合の対処と同じです。
<参考>1),2)
薬剤(一般の輸液など)が漏出した場合は、腫脹などの軽減に冷罨法(れいあんぽう)が効果的と言われています。20℃前後の冷罨法を漏出直後に行うことで炎症反応が軽減します。3時間程度は継続して冷やした方が効果的ですが、30分間でも効果が見られたといわれています。
1) 武田 利明,Expert Nurse 2012 ; 28:66-69
2) 三浦 奈都子,Expert Nurse 2012 ; 28:70-77
電子化された添付文書には「輸注速度が速すぎるとチアノーゼ、心悸亢進又は血管内凝固による栓塞を起こすおそれがあるのでゆっくり注入すること」と記載されています。
※海外情報※
【海外で承認されているフィブリノゲン濃縮製剤の投与速度(後天性低フィブリノゲン血症)】
・投与速度は5 mL/分を超えないようゆっくり投与すること
Fibryga®- 欧州製品概要(Summary of Product Characteristics)
本剤は溶解しにくいたん白製剤で、温めた方が溶けやすくなります。温めすぎるとたん白変性を起こす可能性がありますので、37℃を超えないようにお願いします。
溶解後 1 時間以内に投与を開始する ということです。
採血国は日本で、採血の区別は献血となります。
バイアル入りの製剤であり、溶解後にバイアルから点滴静注するため、エアー針が必要です。
同意書の取得は義務ではありませんが、取得いただくことが望ましいと考えます。
医薬品医療機器等法では患者に説明して理解を得ることが求められていますが、血漿分画製剤の同意書の取得は輸血用血液製剤のように診療報酬算定上の要件となっていません。しかしながら、万が一に備えて同意書を取得いただくことが望ましいと考えます。
医薬品医療機器等法 (特定生物由来製品取扱医療関係者による特定生物由来製品に係る説明)
第六十八条の二十一
特定生物由来製品を取り扱う医師その他の医療関係者(以下「特定生物由来製品取扱医療関係者」という。)は、特定生物由来製品の有効性及び安全性その他特定生物由来製品の適正な使用のために必要な事項について、当該特定生物由来製品の使用の対象者に対し適切な説明を行い、その理解を得るよう努めなければならない。
使用後の残液は細菌汚染のおそれがあるので使用しないでください。
(本剤は細菌の増殖に好適なたん白であり、しかも保存剤が含有されていないため)
【参考:廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル 令和5年5月】
「血液製剤については、それ自体には感染性がないことから感染性廃棄物ではないが、外見上血液と見分けがつかない輸血用血液製剤(全血製剤、血液成分製剤)等は血液等に該当するものとする。」とされています。
一般的に静脈内注射で使用されている20~23Gの注射針をご使用ください。
24Gでも投与は可能です。
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