下記資材をご用意しておりますのでご活用ください。
『 HBs抗原陽性血液による針刺し事故後のB型肝炎感染予防 』
HBs抗原陽性血液の汚染事故後のB型肝炎発症予防の適応症を有する弊機構の製剤は以下の3剤です。
・ヘブスブリンIH静注1000単位
・ヘブスブリン筋注用200単位、1000単位
・抗HBs人免疫グロブリン筋注200単位/1mL「JB」、1000単位/5mL「JB」
(成人の針刺し事故後のB型肝炎感染予防には通常1000~2000単位を使用します。200単位規格は通常、新生児のB型肝炎予防に使用されます。)
B型肝炎ワクチンは不活化ワクチンに該当し、グロブリン製剤とは互いに影響を与えないとされているため1)、同時に投与しても問題ないと考えます。
副作用が出たときの鑑別・対処のために、接種部位を離していただくことをお勧めします。
1)MMWR:Recommendations and Reports 2011;60(2):1-61
効能効果は「HBs抗原陽性血液の汚染事故後のB型肝炎発症予防」です。本剤はB型肝炎ワクチンを接種して抗HBs抗体価を高めたドナーの血液を原料としています。C型肝炎に対する抗体は、原料採血時のスクリーニング検査で排除しているため、製剤にC型肝炎に対する抗体は含まれていません。従って、C型肝炎の発症予防効果はありません。
通常、事故発生後7日以内に1回のみ投与します。
電子化された添付文書には「投与の時期は事故発生後7日以内とする。なお、48時間以内が望ましい。」と記載されています。組織に定着する前の血中に存在するウイルスを中和する製剤ですので、事故後はできるだけ速やかに本剤を投与頂くことをお勧めします。
明確な規定はないため、汚染血の抗原の種類(※)や曝露量などからご判断ください。
※一般的にHBe抗原陽性血は感染力が強いと言われています1)。
1)Werner B.G.:Use of e Antigen to Estimate lnfectivity 1982;97:00367~00369
明確な規定はないため、汚染血の抗原の種類(※)や曝露量などからご判断ください。
※一般的にHBe抗原陽性血は感染力が強いと言われています1)。
1)Werner B.G.:Use of e Antigen to Estimate lnfectivity 1982;97:00367~00369
局所障害性のある成分ではありませんので、一般の輸液等が漏出した場合の対処と同じです。
<参考>1),2)
薬剤(一般の輸液など)が漏出した場合は、腫脹などの軽減に冷罨法(れいあんぽう)が効果的と言われています。20℃前後の冷罨法を漏出直後に行うことで炎症反応が軽減します。3時間程度は継続して冷やした方が効果的ですが、30分間でも効果が見られたといわれています。
1) 武田 利明,Expert Nurse 2012 ; 28:66-69
2) 三浦 奈都子,Expert Nurse 2012 ; 28:70-77
筋注製剤と静注製剤は以下の違いがあります。
筋注製剤 | 静注製剤 | |
投与経路 | 筋注 | 静注 |
性状 | 凍結乾燥 | 液状 |
有効期間 | 2年 | 3年 |
投与経路の違いにより、静注製剤は血中濃度の立ち上がりが速やかで、投与時の局所の疼痛が少ないため1)、静注製剤をお勧めしています。
1)船越哲:B型肝炎の免疫(医学書房)1982;52~73
ヘブスブリンは海外非献血の血液を原料とした凍結乾燥製剤です。
抗HBs人免疫グロブリンは国内献血由来の血液を原料とした液状製剤です。
電子化された添付文書には「直接静注する場合は、きわめて徐々に行うこと」の記載のみで投与速度の設定はありませんが、参考として以下の速度を推奨しています。
<参考情報>1)
成人:1mL(200単位)/分以下
1)豊城隆明:臨床と研究 2000;77(7):1419~1430
生理食塩液、ソルビトール加電解質液等の中性に近い輸液・補液剤以外の他剤との混合注射を避けることとされています。
●非経口用生ワクチン〔麻疹ワクチン、おたふくかぜワクチン、風疹ワクチン、これら混合ワクチン、水痘ワクチン等〕:
本剤の投与を受けた者は、生ワクチンの効果が得られないおそれがあるので、生ワクチンの接種は本剤投与後3 ヵ月以上延期してください。
また、生ワクチン接種後14 日以内に本剤を投与した場合は、投与後3 ヵ月以上経過した後に生ワクチンを再接種することが望ましいとされています。
(本剤の主成分は免疫抗体であるため、中和反応により生ワクチンの効果が減弱されるおそれがあります。)
●非経口用生ワクチン以外〔経口生ワクチン、BCG、不活化ワクチン、トキソイド等〕:
予防接種のスケジュールに影響はないとされています。1)2)
1) MMWR:Recommendations and Reports 2011;60(2):1-61
2) 薗部友良:小児内科1994;26(11):1929-1933
ヘブスブリン筋注用の溶解後の安定性試験(25℃、24時間保存)の結果、性状、pH、抗HBs抗体価に経時的な変化は認められませんでした。
(詳細はインタビューフォームを参照ください)
しかし、本剤は細菌の増殖に好適なたん白であり、しかも保存剤が含有されていないので、一度溶解したものは1時間以内に使用し、残液は使用しないでください。
採血国は米国で、採血の区別は非献血となります。
同意書の取得は義務ではありませんが、取得いただくことが望ましいと考えます。
医薬品医療機器等法では患者に説明して理解を得ることが求められていますが、血漿分画製剤の同意書の取得は輸血用血液製剤のように診療報酬算定上の要件となっていません。しかしながら、万が一に備えて同意書を取得いただくことが望ましいと考えます。
医薬品医療機器等法 (特定生物由来製品取扱医療関係者による特定生物由来製品に係る説明)
第六十八条の二十一
特定生物由来製品を取り扱う医師その他の医療関係者(以下「特定生物由来製品取扱医療関係者」という。)は、特定生物由来製品の有効性及び安全性その他特定生物由来製品の適正な使用のために必要な事項について、当該特定生物由来製品の使用の対象者に対し適切な説明を行い、その理解を得るよう努めなければならない。
一度溶解したものは1時間以内に使用し、使用後の残液は細菌汚染のおそれがあるので使用しないでください(本剤は細菌の増殖に好適なたん白であり、しかも保存剤が含有されていないため)。
使用後の残液は、細菌汚染のおそれがあるので使用しないでください(本剤は細菌の増殖に好適なたん白であり、しかも保存剤が含有されていないため)。
【参考:廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル 令和5年5月】
「血液製剤については、それ自体には感染性がないことから感染性廃棄物ではないが、外見上血液と見分けがつかない輸血用血液製剤(全血製剤、血液成分製剤)等は血液等に該当するものとする。」とされています。
一般的に静脈内注射で使用されている20~23Gの注射針をご使用ください。
24Gでも投与は可能です。
輸液で一般的に使用されている輸液セットをご使用ください。材質の指定はありませんが、輸液フィルター(0.2μm)の使用は避けていただくことが望ましいと考えます。
同じグロブリン製剤である献血ヴェノグロブリンIHでフィルター通過性試験を実施しており、排出時間が延長したことから、フィルターの材質等によっては目詰まりを生じる可能性が否定できないためです。
筋注後に揉んではいけない製剤には該当しません。
投与後の痛み等を和らげるために軽く揉むことがあります。
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