電子化された添付文書には投与速度の設定はありませんが、参考として以下の速度を推奨しています。
<参考情報>
成人:100国際単位/分を超えない
DRUGDEX®(1997 年に米国議会で医薬品情報の基準として公定書に認定されたデータベース)2011 年版におけるアンチトロンビンⅢの推奨投与速度は「50IU/分(1mL/分)で、100IU/分を超えない」となっています。これを参考に本剤の推奨投与速度として紹介しています。
細菌繁殖の可能性があるので長時間かけての投与はお勧めできません。
(本剤は細菌の増殖に好適なたん白であり、しかも保存剤が含有されていないため)
局所障害性のある成分ではありませんので、一般の輸液等が漏出した場合の対処と同じです。
<参考>1),2)
薬剤(一般の輸液など)が漏出した場合は、腫脹などの軽減に冷罨法(れいあんぽう)が効果的と言われています。20℃前後の冷罨法を漏出直後に行うことで炎症反応が軽減します。3時間程度は継続して冷やした方が効果的ですが、30分間でも効果が見られたといわれています。
1) 武田 利明,Expert Nurse 2012 ; 28:66-69
2) 三浦 奈都子,Expert Nurse 2012 ; 28:70-77
輸液フィルター(0.2μm)の使用は避けていただくことが望ましいと考えます。
弊機構におけるフィルター通過性試験で排出時間が延長したことから、フィルターの材質等によっては目詰まりを生じる可能性が否定できないためです。
電子化された添付文書に「他剤との混合注射は避けることが望ましい」と記載されていますので、原則単独での投与をお願いします。
ノイアートの溶解後の安定性試験(25℃、24時間保存)の結果、外観、不溶性異物、pH、力価に経時的な変化は認められませんでした。
(詳細はインタビューフォームを参照ください)
しかし、たん白製剤であり保存剤を含有していないため、溶解後はただちに使用してください。
採血国は日本で、採血の区別は献血となります。
ガラス瓶入りの製剤であるため、エアー針は必要です。
① ノイアート1500単位瓶に輸液セットの瓶針を刺し、バイアルをさかさまに吊るしてください。
② ロングエアー針のプロテクターを外し、フィルター部(通気部)を指で蓋をした状態のまま、ノイアートの瓶にまっすぐ刺し込み、ロングエアー針の先端が液面上に出たことを確認してから、指をはなしてください。
点滴静注する際に、ロングエアー針の先端が液面上に出るように突き刺してご使用ください.
【JBディスポーザブルエアー針の使用方法 リーフレット 一部改変】
<注>
・市販の輸液セットなどに組み込まれた通気針は、針が短く先端が液面上に出ないため、点滴の際気泡を生じますので、添付のロングエアー針のご使用をおすすめします。
・ロングエアー針は溶解液注入針と同じ位置及びその付近に刺入すると液もれを起こすことがありますので離れた位置に刺入してください。
・包装袋が破損している場合は使用しないでください。
・ご使用は一回限りです。
同意書の取得は義務ではありませんが、取得いただくことが望ましいと考えます。
医薬品医療機器等法では患者に説明して理解を得ることが求められていますが、血漿分画製剤の同意書の取得は輸血用血液製剤のように診療報酬算定上の要件となっていません。しかしながら、万が一に備えて同意書を取得いただくことが望ましいと考えます。
医薬品医療機器等法 (特定生物由来製品取扱医療関係者による特定生物由来製品に係る説明)
第六十八条の二十一
特定生物由来製品を取り扱う医師その他の医療関係者(以下「特定生物由来製品取扱医療関係者」という。)は、特定生物由来製品の有効性及び安全性その他特定生物由来製品の適正な使用のために必要な事項について、当該特定生物由来製品の使用の対象者に対し適切な説明を行い、その理解を得るよう努めなければならない。
使用後の残液は細菌汚染のおそれがあるので使用しないでください。
(本剤は細菌の増殖に好適なたん白であり、しかも保存剤が含有されていないため)
溶解した液をシリコンオイルが塗布されているシリンジで採取した場合、浮遊物が発生することがあります。
投与前に薬液中に浮遊物がないか目視で確認してください。浮遊物が認められた場合には投与しないでください。
<お願い>
製剤をシリンジに採取する際は、内径の大きな注射針で穏やかに吸引してください。
(注射針の内径が小さい場合、同じ時間で吸引すると流速が速くなるため、シリンジ内壁に塗布されているシリコンオイルが剥がれやすい状態となり、浮遊物が生成しやすくなると考えられるため)
【参考:廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル 令和5年5月】
「血液製剤については、それ自体には感染性がないことから感染性廃棄物ではないが、外見上血液と見分けがつかない輸血用血液製剤(全血製剤、血液成分製剤)等は血液等に該当するものとする。」とされています。
一般的に静脈内注射で使用されている20~23Gの注射針をご使用ください。
24Gでも投与は可能です。
輸液で一般的に使用されている輸液セットをご使用ください。材質の指定はありません。
輸液ポンプやシリンジポンプを使って投与することは可能です。
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