血友病保因者編 妊娠したら、どんなことに注意したらいいの?
- まことくん小学3年生/血友病A患者
好奇心旺盛 - ママお料理上手なやさしいママ
ときどき心配性 - こころちゃん小学1年生/まことくんの妹
ちょっぴり甘えん坊 - ドクターまことくんの主治医
血液にくわしい物知りドクター - げんきくん4歳/血友病A患者
ネットワークで知り合った
まことくんの弟のような存在。
- げんきくんちで赤ちゃんが生まれるみたいだよ!
- げんきくんのママも保因者かもしれないから、保因者診断をした方がよいぞ。
- もしも保因者だったら、どうしたらいいの?
- まず母体を守るために、自然分娩・帝王切開を問わず、出産後の大量出血に備えておく必要があるのじゃ。凝固因子活性が低ければ、出産前などに凝固因子製剤の補充が必要なのだ。
- 生まれた赤ちゃんが男の子だったら?
- 血友病の可能性があるので、出産時に吸引分娩や鉗子(かんし)分娩を行うと、頭蓋内出血を起こすリスクが高まる。よって、経腟分娩の場合は吸引・鉗子分娩は避けるべきじゃ。
- なんかたくさん気にしないといけないことがありそうだけど、こころみたいにかわいい赤ちゃんが元気に生まれるといいね。
血友病保因者が妊娠・出産するときには、大量出血に備えるなど、母体と赤ちゃんの安全を担保するさまざまな対応が求められます。産婦人科医と血友病専門医や関連する医療者との連携が大切です。まず重要なことは、妊婦が保因者である、またはその可能性があることを医療機関側にあらかじめ知らせておくことです。できれば、血友病の診療ができる病院での出産が望ましいですが、産婦人科医と血友病専門医との連携が取れていれば、その限りではありません。分娩方法の決定は、事前に産婦人科医と血友病専門医が連携しておき、保因者妊婦を交えてそのリスク・ベネフィットを勘案したうえで成されるべきです。
(2023年Vol.74夏号)
審J2307072