こんな時、どうする?

保因者診断って?!

  • まことくん小学3年生/血友病A患者
    好奇心旺盛
  • ママお料理上手なやさしいママ
    ときどき心配性
  • こころちゃん小学1年生/まことくんの妹
    ちょっぴり甘えん坊
  • ドクターまことくんの主治医
    血液にくわしい物知りドクター
ママ
保因者診断ってどんなことを調べるんですか?
ドクター
まず血液検査をする前に、家族に血友病患者がいるのか家族歴の聞き取りをするのだ。
こころちゃん
それから?
ドクター
一般的な医療機関で保険診療もできる、凝固因子活性検査。しかし凝固因子活性は、個人差が大きいため「保因者である」ことを確定したり、「保因者でない」ことを判定することはできないのじゃ。
まことくん
えっ?
ドクター
次は、ごく限られた専門的な医療機関で実施している遺伝学的検査。血液中の白血球からDNAを抽出して、血友病の原因となる遺伝子変異があるかどうかを調べるのだよ。この検査で血友病の遺伝子変異が見つかれば「保因者である」ことを確定できるが、変異が見つからない場合でも「保因者ではない」と言い切ることはできないのだ。
ママ
・・・・?!
ドクター
そのため検査を受けるかどうかは血友病のドクターとよく相談して決めるのだ。

保因者診断は、保因者であることを知ることで、安全な妊娠や出産の準備ができる半面、結果によっては知りたくなかった情報を手に入れることになります。保因者診断を受けるのは、あくまで本人の自由な意思であり、 診断を受けないという選択肢もあります。一方、保因者診断とは別に、自分の凝固因子活性を知っておくことは「保因者健診」として備えになります。凝固因子活性が低い場合には、手術を受ける時やけがをした時、出産時にあらかじめ医師に伝えることで、より適したケアを受けられるからです。

(2023年Vol.75冬号)
審J2312196