血はどのように止まるの?
通常、ケガなどをして出血してしまった際に、血が止まるまでの過程は2段階に分かれています。
これを「一次止血」と「二次止血」という呼び方をします。
一次止血
血管が傷ついて傷口から出血すると、第1段階の止血作業が血管内で行われます。
第1段階では、まず傷口部分の血管が少し縮んで、傷口からなるべく血が出ていかないように作用します。
同時に、血管内皮から放出されたフォン・ヴィレブランド因子*などによって、血管の傷ついた場所に「血小板」と呼ばれる血液の成分が集められます。フォン・ヴィレブランド因子は、この一次止血において、血小板が傷口部分にくっつくときに重要な役割を果たしている因子のひとつです。
そして集まった血小板が、血小板の塊(血小板血栓)をつくって傷口を塞ぎます。これを「一次止血」といいます。
二次止血
ただ、このようにしてできた血小板血栓による一次止血は、あまり丈夫なものではなく、出血を完全に止めるには十分ではありません。
これを補強するため、第2段階の止血作業として二次止血が行われます。二次止血では、血液中の凝固因子といわれる10種類以上のたん白質が順番に働きます。
そして最終的には、強くて頑丈なフィブリン**の網をつくり、このフィブリンの網が一次止血でつくられた血小板血栓をおおい固めて補強します。これを「二次止血」といいます。
* フォン・ヴィレブランド因子:第1段階の止血(一次止血)の際に大事な要素のひとつです。出血した場所に血小板をくっつける・集める、血液中の凝固因子を安定化するなどの役割を果たしています。
**フィブリン:第2段階の止血(二次止血)の際に血液中の凝固因子によって最終的につくられる線維状(糸のような)のたん白質です。出血した傷口を塞ぐ役割を果たしています。
血が止まる仕組み
出血
フォン・ヴィレブランド因子の働き
一次止血
二次止血