どんな症状?
粘膜出血が特徴で、鼻出血、口腔内出血、皮下出血、抜歯後など手術後止血困難、外傷後止血困難、血尿などがあります。ごく稀に、関節内出血、筋肉内出血などもみられることがあります。
特に女性の場合では性器出血、過多月経、初潮時の異常出血(経血量が多い)や流産・分娩時の異常出血(出血量が多い)、黄体出血(排卵期ではなく黄体期におこる出血)がみられます。
フォン・ヴィレブランド病は、遺伝性の病気であることが多く、一般に幼少時から出血症状がみられます。ただ、症状の軽い方では、年齢を重ねてから外傷、手術、分娩などの外的要因が加わったときに発見されることも多いとされています。
また、加齢とともに出血症状が軽減する傾向にあるといわれています。
主な出血症状と特徴
タイプ(病型)
フォン・ヴィレブランド病は、大きく3つのタイプに分けられます。
病型分類 | フォン・ヴィレブランド因子の状態 |
---|---|
1型 | フォン・ヴィレブランド因子の量的減少(量が少ない) |
2型* | フォン・ヴィレブランド因子の質的異常(うまく働かない) |
3型 | フォン・ヴィレブランド因子の完全欠損 (フォン・ヴィレブランド因子を持っていない) |
※ 2型はさらに2A、2B、2M、2N型の4つのタイプに分けられます。
出血症状の程度が異なり、1型は概して軽いとされています。一方、2型(特に2A型)及び3型はより重症の出血をおこしやすいです。
高橋芳右. 血液フロンティア 2014;24(8):1185-1197
患者数
フォン・ヴィレブランド病は男女どちらにもみられる疾患で、国内の患者数はおよそ1,300例です(血液凝固異常症全国調査 平成30年度報告書より)。遺伝性の出血性疾患の中では、血友病(約5,700例)の次に多く、我が国では人口10万人あたり約0.6人と報告されています。
診断時の年齢
鼻出血や外傷などによる異常出血から、幼児~学童期にかけて診断されることが多いとされています。女性では、思春期の過多月経、出産時の止血困難などの止血異常から診断されることもあり、思春期以降~35歳くらいまでに診断される方も多い傾向にあります。
また、抜歯時の止血異常がきっかけで診断されることもあります。