Q
地震、水害や噴火のニュースを目の当たりにして、他人事ではないと感じています。血友病の私たちが事前に心がけておくことってありますか?
A
K: この質問の返事ですが、多岐にわたるので、当院のチームのソーシャル・ワーカー谷内智男さん(T)と看護師和田育子さん(W)にも、一緒に答えていただきます。谷内さんはどんなことが大切だと思いますか?
K: この質問の返事ですが、多岐にわたるので、当院のチームのソーシャル・ワーカー谷内智男さんと看護師和田育子さんにも、一緒に答えていただきます。谷内さんはどんなことが大切だと思いますか?
T: まずは安全なことろに逃げること。当面の身の安全を最優先させてください。
K: 一旦避難したら、薬や書類を取りに戻ってはいけないということですね。でも、被災下の医療ってどうなるか不安でしょうから、取りに戻りたい気持ちもわかりますよね。
T: どんな場合でも医療や投薬を継続して受けるための準備として、最も大事なのは、自分の病気と薬の名前、かかりつけの病院と医師の名前を憶えておく(メモしておく)ことです。書類やお金がなくても最低限、これらを憶えていれば何とか医療を受けることができます。
K: ただし、小さい子に無理やり憶えさせ、病名を言いふらされたら困るでしょうから、教える時期については秘密を守れるような発達段階になった辺りがいいでしょう。実際にはそんなに小さいお子さんは親、保育園や幼稚園の先生と離れることはないでしょうから、周囲が知っていれば大丈夫ですね。また、小さくてもその辺をしっかり分かっている子は多いですよ。その半面、成人でも症状の軽い人は、AかBかもよく知らない人がいます。
T: 避難袋を用意するなら、健康保険証、医療券、患者カードのコピーは忘れずに入れておきたいアイテムです。更新の際もコピーして交換してくださいね。
W:国内なら被災区域外は治療環境が保たれているので、そこまで出られれば医療は受けられます。
そこで近接地域の医療機関情報も重要で、普段から近隣の病院で製剤を扱っている病院を調べておくと、もしものときに慌てません。神戸の震災などでは橋が交通のネックになったと聞いています。災害下でのコースも考えておいてくださいね。しかし、東北の地震と津波のような広域の災害では、かなり遠い場所に避難することにもなるかもしれません。旅行時に使うような全国の専門病院リストを持っていれば、さらに安心でしょう。製剤メーカー各社で提供している血友病専門病院のリストの冊子は病院でいただけますし、インターネットでも探すことができます。