サポート制度

血友病に対しては、どのような公的な医療補助制度がありますか?

「特定疾病しっぺい療養受療証」、「小児慢性特定疾患医療費助成制度」、「先天性血液凝固因子けつえきぎょうこいんし障害等治療研究事業」の補助制度により、血友病に関係する医療費は全額補助されます(2021年10月現在、図1~3)。


(図1)各種医療補助制度の概要
① 特定疾病療養受療証 ① 特定疾病療養受療証 ② 小児慢性特定疾患医療費助成制度 ② 小児慢性特定疾患医療費助成制度 ③ 先天性血液凝固因子障害等治療研究事業 ③ 先天性血液凝固因子障害等治療研究事業

(図2)各種医療補助制度の関係
20歳未満の患者さん「特定疾病療養受療証なし」 20歳未満の患者さん「特定疾病療養受療証あり」 20歳以上の患者さん

健康保険
●助成内容 医療費総額の7~9割 ●支給日 -
特定疾病療養受療証
●助成内容 医療費総額の1~3割が10,000円を超えた場合、超えた部分を助成 ●支給日 受療証を交付された月の1日から受給開始
小児慢性特定疾患医療費助成制度
●助成内容 医療費総額の1~3割、または10,000円を助成
※入院時食事代金を助成 ●支給日 原則的に申請日から受給開始
先天性血液凝固因子障害等
治療研究事業
●助成内容 10,000円を助成
※入院時食事代金を助成 ●支給日 原則的に申請日から受給開始

①の制度の“医療券”はそこに書かれた病院だけでしか使えないんだって(※) 病院に行くときは“医療券”をもっていってね 旅行先などで出血することもあるから、③の申請も一緒にしておくといいよ(※)

※小児慢性特定疾患医療費助成制度は医療機関(病院)を指定して申請します。そのため、指定していない病院(旅行先の病院など)で診療を受けた場合には、自己負担が発生します。その際に特定疾病療養受療証の申請をしていると、月額の自己負担の上限は10,000円となります。


(図3)各種医療補助制度の申請手続き

必要書類は自治体ごとに異なる場合がありますので、詳細は自治体窓口にご確認下さい。


特定疾病療養受療証
●主な申請時必要物品 ・医師の意見書が記載された申請書
・健康保険証 ・印鑑 ●申請についての相談窓口 利用している健康保険の保険者
(例)
・協会けんぽ→全国健康保険協会
・国民健康保険→市区町村役所
・組合健康保険→健康保険組合
・共済健康保険→共済組合
小児慢性特定疾患医療費助成制度
●主な申請時必要物品 ・所定の医師意見書
・申請書 ・健康保険証 ・印鑑
・特定疾病療養受療証(地域によっては必要) ●申請についての相談窓口 居住地を管轄する保健所
(指定市、中核市、特別区は各担当窓口)
先天性血液凝固因子障害等治療研究事業
●主な申請時必要物品 ・所定の医師意見書
・申請書 ・特定疾病療養受療証
・健康保険証 ・印鑑 ●申請についての相談窓口 居住地を管轄する保健所
(指定市、中核市、特別区は各担当窓口)
監修:
藤井 輝久先生
広島大学病院 輸血部 准教授