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中央研究所

蛋白精製研究グループ

血漿中には、100種類以上の多くのたん白質が含まれています。これらのうち各種疾患に対して治療効果を持つたん白質を、血漿から純度良く精製したものが血漿分画製剤です。この製剤は感染症、出血、免疫異常、遺伝性凝固異常症など、他に代替品のない重篤な病状の方に使用されます。

これまで血漿分画製剤として精製されたたん白質は10数種類でしかありません。私たちは、既に製剤化されたたん白質の研究だけでなく、その他のたん白質を有効に利用するための研究も進めています。このためには、目的たん白質を純度良く精製する必要があります。そして、医薬品として高い品質を持っているか分析することも必要です。このような精製と分析方法を研究することが、私たちの研究室の目的です。

血漿中のたん白質の機能を保ったまま高純度精製するためには、エタノール分画法、ポリエチレングリコール分画法、クロマトグラフィー法など様々な工程を組み合わせて精製する必要があります。一般的に、たん白質を精製する際に高純度を目指すほど、目的たん白質の収率が悪くなります。しかし、私たちが原料としている血漿は、献血から得られた限りある貴重なものであるため、この相反する要素を高いレベルで満たさなければなりません。

そして、安全で高品質な医薬品を皆様にお使いいただくためには、最新の手法を用いた分析により目的たん白質を評価する必要があります。近年、たん白質の分析法の進化は目覚ましく、液体クロマトグラフィー、質量分析装置やキャピラリー電気泳動など様々な方法を用い、より詳細に製剤を分析するための研究を行っています。

そのほか、血漿分画製剤だけでは補えない製剤を開発するために、遺伝子組換え製剤の研究も進めています。目的たん白質を産生するために、遺伝子組換え技術を利用したたん白質の発現、より効率良くたん白質の発現を促すための培養方法の研究を行っています。そして、産生されたたん白質を精製、分析する方法は、血漿蛋白製剤で培った技術を応用しています。