JBは、安定的かつ持続的に患者さんや医療機関に血漿分画製剤をお届けする使命を果たすため、2012年の事業開始以来、持続可能な社会づくりに積極的に参画してまいりました。
今回の特集では、京都工場のこれまで行ってきたサステナビリティ施策についてご紹介いたします。
日本血液製剤機構として事業を開始して今年で13年目を迎えます。その間、私たちを取り巻く社会環境は大きく変化しました。地球温暖化や異常気象などの気候変動、頻発する災害など深刻な環境問題に加えて、ウクライナ情勢や中東問題など先の読めない世界情勢の中で、平和で持続可能な未来をどう実現するかという課題が社会全体に突きつけられています。
ここ京都府福知山市で、北海道の千歳工場と協業しながら国内全体の半分以上の血漿分画製剤を製造・供給する京都工場も、こうした社会環境の変化と切っても切れない関係にあります。部品の入手難や資材不足などのリスクに対応できるサプライチェーンマネジメントの確立が急がれ、製造業の脱炭素化に向けた規制強化も始まっています。
こうした厳しい環境下で、私たちが製造する血漿分画製剤の需要は年々増しています。急性期の需要に加え、さまざまな慢性疾患や難病の患者さんの治療に私たちの製品が生かされるようになり、今日もどこかで患者さんの生命や健康を守る大切な役割を果たしているのです。
これからも安定的かつ持続的に患者さんや医療機関に血漿分画製剤をお届けする使命を果たすために、持続可能な社会づくりに積極的に参画しようと考え、京都工場のサステナビリティ施策は始まったのです。
私たちのサステナビリティ施策は、足元にある日常業務の身近な課題から取り組むことをモットーとしています。なかでも象徴的なのは、2019年からスタートしたBCP(事業継続計画)の取り組みです。2018年に相次いだ台風21号による大阪・関空の大被害、北海道胆振東部地震は、災害による大規模停電の脅威を知らしめました。こうした災害や緊急時の停電に備え、工場内の自家発電用の非常用燃料を増量するとともに、関西電力・日本BCP社と連携して近隣に燃料基地をつくり緊急車両で供給できる非常用自家発電稼働燃料体制を整えました。
また、脱炭素化については、関西電力からカーボンフリー電力を購入する長期契約を結び、JB が掲げる2030年度の削減目標達成に向けた道筋をつけるとともに、省エネ機械の導入、廃棄物の有価売却・リサイクル化などあらゆる角度からメスを入れた結果、2023年度は高い削減量を達成することができました。
こうしたサステナビリティ施策を企画し、実行に移していくには、職員の理解と協力が欠かせません。職員に向けてはSDGsやカーボンニュートラルに関する研修を定期的に開催するとともに、有給休暇がとりやすい環境を維持し、交替勤務の負担を軽減する施策も行っています。また、当工場では職員の4分の1近くが献血に協力し、クリーンキャンペーンやスポーツ大会などに参加するなど職員の自発的な活動が盛んです。自分たちの工場や仕事に誇りをもってくれていることの表れだと感じています。持続的かつ安定的な血漿分画製剤の供給という使命を果たすために、今の時代に合わせた働き方や工場の改善も同時進行で行っていくことが私の責務と考えています。これからも京都工場・職員一体となって、持続可能な社会づくりに向けた活動を続け、血漿分画製剤の安定供給につなげていきます。