JBの重要な使命は、善意の献血による血漿分画製剤を安心・安全な形で患者さんと医療関係者へ安定的にお届けすることです。
その使命を果たし、永続的に血漿分画製剤を作り続けるためには、生産性の高い効率的な体制の構築が必要不可欠です。
JBでは、中長期的な生産体制の将来構想とし生産体制グランドデザイン(以下、「生産体制GD」という)を策定しています。
JBは北海道(千歳市)と京都府(福知山市)の2工場で血漿分画製剤を製造しています。将来にわたる安定供給の体制構築のため、2つのプロジェクトを立ち上げ取り組んでいます。千歳工場では、設備の老朽化対応に加え、分画能力の増強、ヴェノグロブリン収率向上および要員の最適化などの投資効果を期待し、両工場のアルコール分画工程を集約する「M1棟プロジェクト」を進めています。京都工場では、フィブリノゲン増産体制の構築および製造設備の老朽化対応に向けた「JBKプロジェクト」の完遂に尽力しているところです。両プロジェクトは、当機構の事業継続のためには必須の投資であり、第4期中計では最重点事項として定め、製造設備の確実な稼働に向けて注力します。
千歳・京都両工場で行っているアルコール分画工程を千歳工場に集約するため、新たなアルコール分画棟(以下、「M1棟」という)を建設しています。M1棟は、2024年に本格稼働の予定です。 *M1棟:Manufactureに由来
人免疫グロブリン製剤の需要増加やフィブリノゲン製剤の効能追加などの需要増に対応するため、新棟の建設および設備の増強を進めています。この新棟には、SDGsやカーボンニュートラルへの対応として、「太陽光パネル」、「LED照明」、「低騒音型冷却塔」などを設計に織り込み、環境配慮への取り組みも併せて進めています。2025年に本格稼働の予定です。 *JBK:JB Build Kyotoplantの頭文字
2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震による災害時の経験を生かし、地震などによる大規模な停電に備えて、千歳工場では、非常用発電機による給電範囲拡充のため、電源容量を増強した自家発電機への更新を2021年7月に完了しました。京都工場では、自家発電機に使用する燃料の専用備蓄設備確保と工場内危険物倉庫の改修により燃料保管量を増大するとともに、緊急時燃料供給業者との燃料配送体制を整備しました。また、非常用発電機についても老朽化に合わせて順次更新を進めています。
JBの主な人事戦略上の課題として、生産体制GD(M1棟プロジェクト・JBKプロジェクト)の着実な遂行のための要員確保、業務改革(業務量と要員数の精査・見直し)の必要性、現場力低下の改善の必要性、次世代を担う経営人財の早期育成、モチベーション向上のための施策の必要性などがあげられます。これらの課題解決に向け、最適な要員配置と人件費の適正化、当機構の成長を支える人財育成、多様な人財が活躍できる環境づくりに注力します。
JBでは、熟練技術者の技能を効率的に伝承し、短期間で人財を育成するための体制づくりに力を入れております。
たとえば、入社後一定期間を経過した若手職員を対象とした研修(2年次研修)(3年次研修)を実施しています。
その他、AI、IoT などの新技術を活用した新たな取り組みとして、アイトラッキング*技術を活用した全数検査教育訓練の実施やVR技術を活用した労災防止教育を実施しています。
*アイトラッキングとは、視点の場所(どこを見ているのか)や、頭部に対する眼球の動きを計測し、追跡する方法