• バランス訓練

Training 04バランス訓練

物体には重量があり、その中心を重心といいます。物体を持ち上げて支えるとき、支持点が重心から遠いほど不安定となり、均衡(バランス)を保つためにはより大きな力を必要とします。人も物体なので重心が存在します。重心の位置は動作を行うことで移動します。身体を支えている支持点を結んだ線で囲まれる部分を支持基底面と言いますが、支持基底面から重心が外れると、バランスを保てなくなり転倒してしまいます。何かの動作を安定して行うには、バランスを保つための姿勢修正を連続して行う必要があります。バランスが良くなると関節にかかる負担が減り、制御能力が向上するので、捻れや衝撃による関節内出血を生じる可能性が低くなります。バランス反応の要素は、関節の運動機能、感覚、脳の身体イメージです。これらはトレーニングで強化することができます。バランスのトレーニングは、①動作を動きの要素に分けて練習→②不安定な姿勢で動作を練習、という順に行っていくと良いです。

重心と支持基底面の参考図

  • 重心線
  • 重心
  • 支持基底面
  • 安定

    安定した姿勢では、重心が支持基底面の中に納まっている

  • 不安定

    重心が支持基底面から外れるとバランスが保てなくなる

難しいときには、手すりなど安定した支えがあるところや、他の人から補助を受けながら行うなど、安全にできるようにしましょう。また、関節症が進んで関節が不安定な場合、装具・サポーター・テーピングを利用して、怪我をしないように行いましょう。

歩行バランス訓練 特別な器具をつかわない

動作を動きの要素に分けて練習

片脚立ち左右30秒 前ステップ10回ずつ

片方の足を一歩出して元の位置に戻す

横ステップ10回ずつ

片足を横に出して元の位置に戻す

不安定な姿勢で動作を練習

つま先歩行/かかと歩行各10歩ずつ 後ろ歩行10歩ずつ 交差歩行10歩ずつ 継ぎ足歩行10歩ずつ
  1. 両足をそろえて自然に立つ
  2. 片足の親指の先にもう一方の足のかかとをつける
  3. 後ろ足のかかとを前足の親指につけ、直線にそって歩く