• テーピング・関節サポーター・装具などの関節保護アイテムの活用

Training 07
テーピング・関節サポーター・装具などの関節保護アイテムの活用

血友病性関節症が進行すると関節面が変形します。変形した関節は、運動時に関節面に荷重や回旋力が加わると、痛みと不安定感が生じます。無理をすると関節症は悪化し、さらに変形が進みます。筋力訓練やバランス訓練などの運動療法を行っても効果が薄い場合は、テーピング、関節サポーター、装具などを使用して、関節の動きを制限し、変形した関節面を保護し、筋肉・腱・靭帯の補強を行っていくことが重要になります。

関節保護アイテムの例

テーピング

テーピングは、安価で持ち運びが楽で、その日のコンディションに合わせて自由に制動方向や固定力を変えられる半面、長時間使用するとテープの粘着力が低下してしまうので、巻き直す手間が掛かります。また蒸れや粘着テープでかぶれなどの皮膚トラブルが起こることもあります。捻挫などの怪我をした場合に冷却パックをしながら固定する場合や、体育の授業やスポーツをするのに一時的に関節の保護が必要な場合に適しています。

関節サポーター

関節サポーターや弾性包帯は、制動力や固定力は弱いですが、手軽に装着でき、伸縮力があるので運動時の関節保護に役立ちます。慢性的な関節の違和感、軽度の関節痛や不安定感がある場合で、日常生活動作や日常レベルの歩行移動で使用する場合などに適しています。

装具

装具は、その人の身体の形に合うように採型して製作するオーダーメイドタイプが一般的で、フィット感が良く、装着が楽で強固な固定力が得られる半面、制動方向や固定力を変える自由度は低いです。長期に渡って日常生活動作で関節を保護する必要がある場合や出血しやすい状態が続いている場合などに適しています。

この他にも、例えば下肢の関節症が長期間に及ぶと、歩行時の姿勢が崩れて前後左右のアンバランスから腰痛を発症する場合がありますが、急激な痛みを生じている場合や筋トレやストレッチなどで改善しない場合に、骨盤ベルトやサラシ、ソフトコルセットなどが仙腸関節や腰椎椎間関節を保護し、動作時の腰痛悪化予防に役立ちます。関節保護アイテムを関節症の状態に合わせて使い分けていきましょう。